愛する団体の事実上の最終興行を迎えるにはいささか慌ただしすぎる日常が続いており、充分に心の準備をする間もなくこの日を迎えた。この前日には22:00に出社して01:30に退社という変な休日出勤を強いられたため夜行で行く手が使えず新幹線で上京。昼のＪｄ’を見るつもりもあるにはあったので「のぞみ」をおごったのだが、結局観戦しなかったので単なる無駄遣いに終わった。
最後になるかもしれない「かたし」の時間を確保したくて、東京駅で深夜バスの切符をあたったが全滅。ダメモトで寝台急行「銀河」を当たって見るとなぜかＢ寝台が残っていたので購入。寝台車なんて真っ先に売り切れているものと思っていたのだが。時代は変わったのだろうか。
有楽町線、りんかい線と乗り継いで国際展示場駅に到着。大きな屋根が見えたので、有明コロシアムだと思いこんでそちらに向かって歩いていくとこれが東京ビッグサイトだったという大ボケ。とって返してコロシアムブリッジを渡り、念の為ローソンで買い物をして道順を尋ねてやっとディファに辿り着いた。
ディファ全景、てこれじゃほとんどレストランの画像だが
Ｊｄ’はこのときまだ４試合ぐらい残していたらしいのだが、自由席でも5000円という価格にあっさり退散し、観戦している特殊仲間を待つことに決めこんだ。ディファのレストランはコーヒーだけでも８００円と安くはないがいい加減歩き疲れていたこともあり、スパゲティセット１３００円ナリで時間を潰す。
Ｊｄ’の興行が終わったのは16:00近くになってたと思う。出てきたファン仲間4人で、コロシアムブリッジをもう一度渡り、ビルの１Ｆにあるサイゼリヤで食事（私はコーヒーだけだが）、少し早めに会場に戻って開場を待つ。「今後俺はどうすればいいんだ」「YMBに行けばいいじゃないか」などと雑談。
12.10後楽園の払い戻しも受け付けられていたので手続き。ＹコーチがＫ大王を海に蹴り落とし,大王は行方不明になるが次の後楽園で海草を頭に乗せて現れる、というアングルを考えていたのだがフイになって残念である。
前のＪｄ’があれほど押したにもかかわらず、定刻より8分遅れただけで開場となる。あとで知ったが、この会場はリングを設置するフロアが１Ｆにある上に、搬出入口のすぐ側にトラックを横付けできるのでリング設営と撤去がかなり容易なのであった。
客席は南側後方を幕で区切り、ステージ席にも幕を下ろし、と客席がかなり少ないがおかげでかなり埋まっているように見える。使用料金がいくらか知らないが（後楽園よりは安いそうだ）ＪＷＰにとってはかなり手ごろな会場だったのだが。この会場のロビーは後楽園に比べかなり広く余裕がある。トイレはつくりがチャチで洋式：和式が１：２だったりしてせこいが。
売店に出たのは美咲と春山のみ。鎖骨骨折の春山は右腕を吊って左手一本で売店をこなしていた。
最終？効果のせいか結構客が入っている。ＪＷＰにしては、だが。入場式で、メインの純血マッチに美咲が出ることが発表された。輝優優は会場には来ているが試合はなし。
他にＱＴ、福岡、奥津、矢樹、天野、さぶろう、橋本真弥、池田といったＯＧ、なぜか白鳥やテッド・タナベもいる。
倉垣翼 宮崎有妃 ×米山香織 VS アキュート冴○ （１７分３０秒 ダイビングフットスタンプから片エビ固め）
当初は純血タッグだったが春山の欠場で変更。代わりに入るのが宮崎ということで純血に近いものにはなった。なれない会場のせいか進行が悪く、選手がなかなか出てこない。美咲がリングサイドで何やら慌てていた。選手入場がいつもと違う（ステージからの花道が使われるから）ことに直前になって気付いて慌てた、と見た(^^;
米山と冴で先発。力くらべ、ドロップキック、そのすかしあい、２Ｐ攻撃などからスタンド中心の展開。中盤になって倉垣と冴でアームロックの攻防、米山も冴に脇固め、冴がＶ１で攻め返し、と攻防。
宮崎を撮り損ねた
宮崎は米山に足４の字、逆エビ固めと攻撃。これを倉垣のアシストで逃れた米山、フライングエルボースマッシュの連発、串刺しドロップキックはすかされるも、さらにフライングエルボー、倉垣のミサイルキックと続く。
宮崎は倉垣に雪崩式フランケンシュタイナーを見舞う。カウント２で返した倉垣はひねりを入れたバックドロップ連発で返す、宮崎もミサイルキック、ジャーマンと攻撃、冴が出ると張り手合戦、冴が倉垣を雪崩式一本背負いに切って落とすが、米山がダイビングボディアタックでわりこみ、倉垣のレジーラック、ファンタスティックフリップ（米山が跳ぶ）と続く。
米山はさらにきれいなブリッジでダブルリストアームサルトを披露！カウント２。ＪＷＰでは通例、デビューして日が浅い選手が大技を使うことはないため、デビューして１年が経っているとはいえ、途中９ヶ月ほどのブランクがある米山がダブルリストアームサルトを使うことには大いに意表を突かれたのだが、そればかりではなく、この技のブリッジの美しさと力強さにも目を見張らせるものがあった。
冴は雪崩式一本背負いを米山にみまう、これは倉垣にカットされたが、つづいての最上段からのダイビングフットスタンプでカウント３を奪った。
井上貴子 レジー・ベネット ×田村欣子 VS 元気美佐恵○ （１６分２７秒 Ｇドライバーから体固め）
田村様と元気でロックアップからスタート。力比べ、元気の水平打ちなど重厚な感じの序盤。続いてレジーがブレンバスター、ラリアット串刺しと攻め、エルボースマッシュをはなってきても弾き返す。田村は元気相手にＤＤＴなどで応戦して貴子との２Ｐ攻撃。
田村様と元気がにわかに激しい張り手合戦をみせ、沸かせる。ついで貴子が出てアトミックドロップ、ソバット、雪崩式喉輪など応酬。
レジーが出ると対角と怪力で二人を圧倒し、貴子にかなーり強烈なライガーボム。貴子と田村がミサイルキック、タカパニと襲い、田村様の串刺しニー、エースクラッシャーと見せる。さらに田村様は貴子のアシストでダブルリストアームサルトを見せるが、レジーはあっさりしリースラムで反撃。
元気が出てビッグブーツなどで攻めるのをかいくぐり田村様がエルボースマッシュ。カウント２。さらにジャーマン、すぐ立った元気にエルボースマッシュ、さらには裏ダブリリストアームサルトを２発見せるが決められない。元気は大車輪喉輪で反撃、さらにＧドライバーを狙うが、田村様は回転エビにまるめこみ。田村様はダイビング回転ドロップをかわされ、レジーの２段目ダイビングプレスを食う。
しかし裏拳で反撃の糸口をつかむ田村様、しかしレジーのアシストでつぶされ、Ｇドライバーを食らう。これは逃れるも、再度元気がＧドライバーでカウント３。田村様に土がついた。
そういえば極端に貴子の出番が少なかった。よっぽどこの「つまらない」カードにやる気をなくしていたのか？(^^; ある人曰く「貴子には有明の地は鬼門」:-)
★コマンド・ボリショイ センセイ塾 第７戦 ×コマンド・ボリショイ VS 日向あずみ○ （１６分０３秒 みちのくドライバー２から片エビ固め）
「笑う門には福来たる」が今日の格言。
日向が串刺しドロップキックで奇襲いや強襲するもかわされるスタート。テイクバックとがぶりあいのグラウンドからスリーパーを狙うコマンド、場外に逃げた日向は、乱闘では優位をとり、花道につれこんでのランニングニーアタックも見せる。コマンドもおかえしに花道でのポージング地獄突き。
日向は風車式背骨折りでペースを得るが、コマンドが蹴り足を取っての裏アキレス腱固めからヒール？ホールドで逆襲。日向はこれを強引にサソリ固めで絞め返す。日向のサソリとは珍しい。コマンドはコーナー最上段からのとびつきコルバタ、ウラカンラナ、裏アキレス腱固めと攻勢を作る。さらに攻勢に転じようとした日向にパワーボムの形で落とされそうになりつつも、逆に三角絞めに入っているところを見せる。
場外に落ちた日向に反転ブランチャ、リング内でジャーマン、コーナーで日向が雪崩式回転足折り固めを狙うが失敗し、コマンドの後ろ向きダイビングフットスタンプを２発くらう。
日向はコーナー上で再三スパイダージャーマンを狙うもつぶされるが、強引に頭突きなどはなって雪崩式人間風車を完成。しかしコマンドもコーナー上の日向に掌打、雪崩式ピコバスターと攻める。さらにカウンターで掌打が出るもカウント２どまり。
コマンドは手首をつかんでおいての掌打連発、しかし３発目をすかして日向はみちのくドライバー２を決める。しかしカバーにいけない。コマンドはそこから脇固め。日向苦しみつつもなんとか逃れる。
日向はダイビング延髄ニーアタックをはなつがカウント２。コマンドの華麗なライムライトもカウント２。日向みちドラ、これもカウント２。コマンドは乾坤一滴のカウンターの掌打を放つが、これをかわした日向は再三のみちドラ、これが決まってカウント３。
見終わるまで忘れていたのだが（苦笑）日向あずみは、これがコマンド相手のシングル初勝利である。天野、輝、美咲ともに果たしていたボリショイ越えを、日向はまだ果たしていなかったのである。私以外の特殊ファンと、特殊ファン以外の熱心な日向ファンも、日向のボリショイ越えを密かにテーマに観ていたのである。というわけで、いろんな意味でこの日に相応しい好勝負となった。
〜ＱＫ〜
休憩後、春山香代子が欠場挨拶。復帰後の自分を楽しみに待っていてほしい、と力強く宣言した。
★ＪＷＰ純血タッグマッチ コマンド・ボリショイ 美咲華菜△ 日向あずみ 倉垣翼 △米山香織 VS アキュート冴 （２０分時間切れ引き分け）
美咲と米山で先発。米山の体当たりを受け止めて倒れない美咲だったが、フライングエルボーには倒れる。グラウンドから張り手、コーナーに投げ返して他の２人に出ろと催促するが、コマンドが出ると自分は引っ込んでしまい冴に交代。冴とコマンドのグラウンドはコマンドが関節を決め、冴はなんとかエスケープ。
日向と倉垣が出ると力くらべ。倉垣が関西みたくブレンバスターを放てば、日向はドロップキック、側転エルボーをすかすなどから３人花いちもんめキック、さらにロメロスペシャルを狙うが、倉垣が重すぎるのか崩れた(^^;。米山が出て倉垣にボディスラムを狙うがこれも上がらず(^^;、冴と米山のグラウンドの攻防に。
米山がハンマーロックをコマンドに渡してコマンドはロープわたり、続いて、日向もロープわたり、さらに米山もロープわたりにトライするが米山は２、３歩で失敗(^^;冴が米山に腕ひしぎ十字固め、クラッチを切らず、なんとか蹴飛ばして逃げようとする米山。
冴が倉垣に渡して、倉垣はロープわたり。日向とコマンドがロープをゆらすが倉垣はけっこう安定している。続いて美咲もロープわたりにトライするがこれは大がつく失敗(^^;
美咲組は米山の上でピュアハートポーズ。しかし米山がすぐ崩しつぶれる。美咲組はすぐにピュアハートポーズをやり直す。しかしいつの間にか米山と美咲が入れ替わり美咲が下敷きにされていた(^^;
日向組は連係ＤＤＴ，日向と美咲で張り手合戦、あたりどころが悪かったか美咲引っ込み倉垣が出る。倉垣はムーンサルトプレスを自爆するもレジーラックを決めるが、日向もジャーマン、だるまジャーマンなどきめる。美咲の倒立フランケンシュタイナー、ダイビングセントーン、倉垣ムーンサルトプレスと出るが、コマンド組も米山ブランチャ（未遂）、日向ブランチャ、コマンド反転ブランチャと出る。３人連続後ろ向きフットスタンプも。
美咲Ｋショックなども決まらず。逆にコマンドが二人を押さえ、米山が後ろ向きにコーナーに上る。まさか？と思うやいなや、米山は華麗なムーンサルトアタックを披露。第一試合に引き続いての衝撃。倉垣が再デビューしてからムーンサルトプレスを使い出すまでの間には１年半以上の間があいていることを考えるとずいぶん早い解禁ではある。しかしこのムーンサルトアタックにしてもその空中でのフォームの美しさは光っていた。
選ばれし者のみに許された技、というイメージも失われて久しいとはいえ、ムーンサルト系の技には今でも使い手を選ぶところがあると思うのだが、米山は間違い無く選ばれた選手である、とも感じた。
確かにきれいなフォームだったのだが撮り損ね ってこれも撮り損ねかい(^^;
さらに米山はダブルリストアームサルトで美咲を追い込む。カウント２。もう一発。どうみても美咲の肩は上がっていなかったのだが、３カウント目は叩かれなかった(^^; さらに力強くもう一発。これは倉垣が必死のカット。そして再トライに至る前に２０分時間切れのゴング。
美咲はまた膝をやってしまっており、肩を借りて立たせてもらうのがやっとの状態であった。純血タッグにこだわったからとはいえ、無理を押して出場したなりのツケがまたもや負わされた。
コマンドがマイク「今年はこれで最後ですが、また来年興行ができるようにそれぞれ頑張りたいと思います」と団体の解散や休止を示唆する発言はないものの、最後は春山を含めてリングに上がり涙の挨拶といった具合。このとき輝優優はなぜかリングに上がらず、この輪に加わることはなかった。
結局団体としては何ら明確な発表をすることなく興行は終了した。21:00ごろだったか。この日のリング撤収は橋本真弥が手伝い、これに田村様、元気、宮崎も加わり、周りにはＱＴとかひーちゃん’Sとか天野とかがうろうろしているという豪華な光景であった。
その撤収も終了した後、美咲は「また機会があればリングに上がります...」とは言っていた。レディゴンのインタビュー（この興行の２日前）のニュアンスとはかなり違うが、自分のファンへの社交辞令的な言葉だったのか、心境の変化があったのかはわからない。無理をせずに、しかし復帰に向けて頑張ってほしい、と自分の気持ちを伝えた。やはり区切りはつけてほしい、という思いはある。