この週私は出張でずっと東京におり、自腹で余計に一泊してこの日の観戦に臨んだ。こういうケースでは自腹分はいつもカプセルホテルだったのだが、今回は週末割引が効いて安めとはいえビジネスホテルを利用。出張荷物がかさばるとかいう問題もあったのだが、まあ自分で衰えを自覚せざるを得ない。週初めからは想像できないほど週末は寒く、この日は夕方ごろには雪まで降ってくる始末であった。
最初に全チーム入場式。京子組は米山が「優勝するぞ！」冴組は「田村様がいれば優勝ケッテー！」、ＬＬ組は無難に「頑張るぞ」、コマンド組は日向が「二冠目指して頑張るぞ」、ハルクラは「ただいま！おかえり！ハルクラの凄さを見せてやる」ハルクラは銀色の帽子と服。倉垣は水牛みたいな角。体型的には似合ってるが。デビラッツは「デブの春山をぶっつぶす」天野と美咲は「頑張るぞ」とやったもののいきなりこずきあい（４・２０板橋でシングル対戦が決まっているのだ）。これで、この日の試合は仲間割れかと深読みしたがとんだ読み違いだった(^^; 輝と元気は・・・忘れた(^^;
★ＪＷＰ第１７代タッグ王座決定トーナメント１回戦 田村欣子 井上京子 ×アキュート冴 VS 米山香織○ （７分３０秒 ジャックナイフ）
まさかこのとき既に人妻だったとは（笑）。京子組はゴング直前に背後から奇襲。しかし米山のブランチャは誤爆し、冴と田村の連続ブランチャを受ける。米山がジャンピングエルボースマッシュを連発して攻めるが、冴はこれを一本背負いに取って投げ、ミサイルキック連発。さらに田村がエルボースマッシュ、エースクラッシャーダブルリスト、アームサルトなど攻め京子がカット。パトリオットバスターは米山かわして京子につなぐ。京子は冴にラリアット、フィッシャーマンズスープレックス、コルバタ潰しパワーボムと攻めるがいずれも自力で返す冴。ナイアガラは田村がカット。冴と米山がダイビングフットスタンプ、ダイビングボディプレスと応酬するが最後は京子が冴にパワーボムを見舞っておいて、米山にフォールを取らせた。
カード的にはどっちが勝ってもおかしくなさそうなものだが、終止京子組の勝ちしか見えなかった。冴の奮起を望みたいところ。
★同１回戦 ○日向あずみ 青野敬子 コマンド・ボリショイ VS 和田部美穂 × （７分３９秒 ダイビング延髄ニーアタックから体固め）
青野組が奇襲、和田部のカニバサミに倒れぬ日向、しかし青野がそこへフェイスクラッシャーと気の効いた攻め。和田部をジャイアントスイングで調子にのっていつもより多く回す日向。観客が「自分の事も考えろよ」と野次るが、言われるまでもなく考えておらず(^^;日向は案の定目を回してすぐにコマンドにスイッチ、コマンドもジャイアントスイング。コマンドがトペ未遂の要領で和田部の攻めをかわすと、和田部も同様のムーブでかわしてみせる。和田部はコマンドの雪崩式ピコバスターをくらったり、日向の攻めを受けつつも切り返して反撃してみせてたが、最後は結構あっさり延髄ニーに沈む。
ＬＬＰＷ勢がＪマットに久々の参戦てな試合だったが、その青野組があまりアクが強くないせいか印象度はも一つであった。
★同１回戦 春山香代子 吸血鼠魔女デビラッツ ○倉垣翼 VS 吸血鼠魔女デビラッツ× （８分２１秒 フブキラナ崩れでそのまま押さえ込み）
このタッグトーナメントは、一回戦の試合前にいちいちチーム紹介があったのだが、デビラッツ組の紹介は「その正体はかなりのマニアでも見破れない」おいおい(^^;一目瞭然ではないか（笑）。一方のハルクラはチーム用の新テーマ？で入場。緑とオレンジを混ぜたチーム用？コスチューム。
デビラッツは増殖した方がロープからの宙返りホイップを見せるなど身が軽いところを見せる。対する春山は序盤体が重そうで（実際に重いが）、ローリングクレイドルもロープにぶつかり失敗。デビラッツは場外で肩を組んでの回転しての入れ替わりを見せる。客席後方から俄然「わっかっらっないっ」コールが上がる。ハルクラも２Ｐエルボードロップ、春山の肩を借りてのダイビングボディプレスなどの連係を見せる。フィニッシュは、ハルクラの雪崩式攻撃をカットしたデビラッツが逆に倉垣を肩車するが、これを倉垣がフブキラナ、崩れるがそのまま上に座り込んでピン。取られたのは増殖した方だったと思う。
デビラッツの入れ替り（レフェリーがよそ見してるので意味無し） 倉垣のラリアットは打ち方にもっとシャープさが欲しいところ
デビラッツはいいタッグチームだと思うが、今のＪＷＰマットでは意外性をあまり感じさせないのが残念なところ。ポリスウ〜メンのキャラは思ったよりも新鮮味を感じさせたのだが。
★同１回戦 ○輝優優 美咲華菜 × 元気美佐恵 VS カルロス天野 （１４分３６秒 エルボースマッシュから片エビ固め）
ゴング直前いきなり腕ひしぎ十字固めを輝に決める天野。「てめえ天野！」と激怒する輝。しかしこの二人が見せるグラウンドの攻防はらしくてなかなか懐かしい。美咲の動きはややぎこちないがそこそこ動く。美咲は無謀にもカンパーナで元気を持ち上げようとするが上がらない(^^;
逆に元気が美咲をカンパーナでブラブラする。美咲は他にショーンキャプチャー、ローリングセントーンなど見せる。南側客席で場外乱闘。結構長引くがカウント１９ぎりぎりで天野トランが戻る。美咲がダイビングセントン、美咲と天野は二人同時裏アキレス腱固め、美咲再度ダイニングセントン、元気にフィッシャーマンバスターを狙うが上がらず右ハイキック輝がジャーマン連発、輝がローリングエルボーを狙うも美咲がハイキック、と攻防したが、最後は輝のエルボーからの高速カウント(^^;で美咲がピンされた。
久々のＪマットでの天野を観れたのはなかなか嬉しかった。美咲も案外動けていたのだが、終盤をもっと盛り上げられるまでには至ってないというか。
〜ＱＫ〜
★同準決勝１ 日向あずみ 井上京子 ○コマンド・ボリショイ VS 米山香織× （６分１６秒 膝固め）
日向組が奇襲するが、リング内では京子がペースを得て闘う。日向は京子を、尻のあたりを抱いてのスパイダージャーマンで叩きつけるが京子あまり堪えた様子無し。
日向組は米山を攻めこむが、２Ｐダイビングフットスタンプを米山がかわすと京子の２Ｐまとめてラリアット、米山のムーンサルトアタック、ダブルリストアームサルトと反撃。しかし京子が米山との連係ナイアガラドライバーを狙ったのを日向がかわして京子をひきつけ、そのすきにコマンドが米山に掌打、これはカットされるもコマンドが米山の足をからめて膝固め。米山無念のタップ。
米山はマットをバンバン叩いて悔しがっていた。これを決して不遜と思わせないところは充分見せていたと思う。
★同準決勝２ 輝優優 春山香代子× ○元気美佐恵 VS 倉垣翼 （６分４５秒 Ｇドライバーからの体固め）
ハルクラが花道で奇襲をしかけ、２Ｐ同時にキャメルクラッチ、そして「ぴゅあはあとぅ」ポーズ、と見せつける。
さらに２Ｐアルゼンチンバックブリーカーなど攻めつけるが、輝と元気も二人同時エアプレンスピン。倉垣は元気にラリアット、延髄ラリアットの連打、ムーンサルトプレス。さらに肩を借りてのダイビングプレス、ファンタスティックフリップとハルクラの攻勢。しかし輝もエルボースマッシュ、元気の喉輪とペースを簡単には許さない。逆に再度のファンタスティックフリップをカットした元気が春山をＧドライバーで押さえた。
ゴング後も倉垣が輝と小競り合い。さらに元気にもつっかかっていく倉垣。セコンドに押さえられた倉垣を、元気がなだめるそぶりを見せておいて、ふたたび蹴りつける。怒る倉垣、といった調子のエンディング。
このタッグトーナメント、京子と組んだ米山とか、ハルクラとかが決勝まで進むくらいのところを観たかったという思いもあり、私としては、この時点でかなり興味が失せてしまっていた。
〜ＱＫ〜
インフォメーションは米山。新商品の紹介があり、紙テープ（４巻き２００円）には「紙テープの投げ方」というマニュアルつき(^^;
★決勝戦 ×日向あずみ 輝優優 コマンド・コマンド VS 元気美佐恵○ （１６分３９秒 スピニングＧドライバーからの片エビ固め）
※輝・元気組が１７代ＪＷＰタッグ王者に
奇襲はないが日向と輝がガンつけあうゴング直前。リング上でこの両者がちょっとやりあってのち場外戦に。客の傘を勝手に使っての攻撃の応酬。日向のスワンダイブドロップキック、コマンドの反転ブランチャ、日向のトペコンと空中戦がつづくが、コマンドの突進をを飛び箱の馬になり輝がかわして、元気にエアプレンスピンさせ、そのまま輝に渡してスピニングアルゼンチンバックブリーカーさせるなどのパワー殺法で反撃。
日向が元気に雪崩式フロントスープレックスを狙うが、失敗して二人場外転落。これはかなり危険だった(>_<) 後半ともなるとコマンド掌打、日向の雪崩式新技、みちドラ、輝エルボー、元気のＧドライバーとフィニッシャーの応酬となる。元気と輝のＧドライバーと垂直ブレンバスターの同時炸裂も。しかし最後はＧドライバーをかわされつつみちドラをくらいつつも凌いだ元気がスイング式Ｇドライバーでピン、輝・元気が新王者になった。
試合前ほとんど興味が失せかけていたにもかかわらずこの決勝戦は結構観れた。終盤の盛り上がりを作ったのは元気によるところが大きい。ぎりぎりまで勝負を読ませず、最後だけはきっちりこれで決まりと印象づけさせる一発を決めて勝利、と非常に巧みな試合ぶりであった。
試合後、輝が吠え、日向も「このかりはシングルで返すからな」と応じる。そこへハルクラが「そのベルトはアタシ達が取る」と元気と輝におそいかかる。そこへ美咲がハルクラを蹴飛ばし「ピュアハートなんかつきあってらんない、私と輝はピュアハートを越えて先に進む」と輝と握手し共闘のアピールを見せた。
結果としてもっとも順当な二組で決勝が争われたことで、観なかったファンの目を引き付けることはできない結果になってしまったのではないかとも思う。観ていれば結構面白い興行ではあったのだが。