５月２０日ディファ有明での春山香代子戦後のマイクアピール「私は６月２４日、心に残る試合をしてみせる」というアピールが気にはかかっていた。一方で「引退」ということは考えたくないし考えないようにしようという感情もあり、あんまり突き詰めて考えることなくこの日を迎えたのであるが、一方で「大事な試合だ」という意識は確かにあった。
というわけでこの前日２３日にオリンパスの新機種デジカメを購入したのだが、「大事な試合」の直前に慌てて買ったのは失敗だった。この機種は現用のデジタルマビカと比べて遙かに設定項目が多く、使いこなすにはそれなりの予習が必要だったのだ。行きの新幹線の中でマニュアルを読んだりしたのだがやはり一夜漬け以下ではいかんともし難かった。
入場式での美咲「今日は私にとって大事な試合です。日向と同じリングに立ちたくないのでこれで失礼します」と去ってしまう(^^; 対する日向は「当たり前のことですが、今日はちゃんと防衛します。そしてＪＷＰにしかできない闘いを・・・」
○米山香織 VS 山本千歳× （６分４１秒 ダブルリストアームサルト）
デジカメの操作になれずメモを取れず(^^; 米山は新しいコスチュームに身を包んでいるが、何やら全女時代の一時期の府川由美を思わせるデザインだ。米山は府川の出身地横須賀と近いからそのへんも連想してしまう。序盤は基本技で、コーナー上での攻防を制した米山が勝利。
○藤崎忠優 VS 勇作× （７分２６秒 逆片エビ固め）
エルボーを打ち合うような立ち技の展開が多い。そこに藤崎が関節技をからめて闘うのだが、関節がらになると藤崎が一方的であまりスイングしないし、ＪＷＰファン好みのじっくりしたレスリング、というには粗雑で大味。藤崎の相手が今は新日に入団した無我の竹村勝氏とかであれば、もっとＪＷＰファンに好意的に受け入れられる試合になっただろうに。観客にインパクトを与えられたのは藤崎のところかまわぬ頭突きぐらいか。
試合は藤崎が勇作のパワーボムをすりぬけて逆片エビで勝った、というような終わり方だったかな。ともかく会場の反応は悪かった。
×アキュート冴のもう一つの顔 VS おばっち飯塚○ （６分３７秒 回転エビ固めの切り返しあいから）
市川狐火名という歌舞伎仮面のキャラが冴のもう一つの顔らしい。どこから出てきた発想なんだろ。何となく女ケンドー・カシンという雰囲気。
得体の知れないキャラだからやりにくい、緊張する、とブツブツ文句を言うするおばっち。冴は最初にロープワークでおばっちをエンエン走らせるというギャグを見せるが後はもっぱら歌舞伎風の見得を切る動作で笑いを取るぐらいで、関節技中心に戦う狐火名。使う技自体は別に素顔の冴と変わらない。後はもっぱらおばっちが仕切る。
おばっちも心得たもので冴が歌舞伎式に大きくステップを踏むとそれに合わせて倒れる、という見事な受けぶり。無論受けだけでなく大根攻撃、ダイヤル固めも見せる。場外乱闘も見せたが、セコンドの西千明が場外乱闘で乱れた観客席の列を直した後、響くほどの大声で「すいませんでしたあ」と謝るものだから一瞬そっちに笑いが持っていかれてしまう(^^; 最後は回転エビ固めの回し合いから。ネタ一発＋αという感じの試合だったな。
この日冴はその後の試合のセコンドでもリング撤収でも狐火名のマスクを被ったままであった。おばっちが使った大根は試合後ＪＷＰのトラックが持って帰った。やはり晩飯に使うのか(^^;
○輝優優 VS 市来喜代子× （１４分０６秒 エルボースマッシュから体固め）
キャメルクラッチからヘア掴んでジワジワ攻めるみたいな攻撃とかコーナーにつめて足グリグリみたいない攻撃の応酬が序盤。
輝が稲妻レッグラリアットやエルボースマッシュで攻勢に出ると、市来も場外に落としてのエプロンフットスタンプなどで攻める。
市来がロープ渡り、と思えばそこからとびついてウラカンラナ、これを受け止めたまま強引に担いでエアプレンスピンからバックフリップを見せる輝。
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市来はダイビング延髄ニーアタックを３連発命中させるがカウント２どまり。輝が逆攻勢に出る。輝のブレンバスター狙いを再三かわした市来だが、かわしたところにカウンターで輝のエルボースマッシュがタイミング良く決まり３カウント。
大物とのシングルでは存在感で負け（試合自体もだが）、宮崎との試合では試合のカラーを決める主導権を奪われ、で市来が相手だと実力の優越が単なる当然のものとしてしか映らず、強烈な光として輝けず、ではかなり辛いものがある。昨年６月の豊田真奈美とのシングル以降輝はちょっとした迷路に入ってるように思えてならない。そういう意味では輝の出直しはまだまだ先が長くなりそうだ。
〜ＱＫ〜
小室友里嬢の御挨拶。オムニバスＣＤの即売会とか。
この画像ではよくわからないが、髪は青色っぽく染まってる 小室有里嬢
春山香代子 中山香里○ ×倉垣翼 VS 米山香織 （１３分４０秒 雪崩式エースクラッシャーから片エビ固め）
中山はルックスもプロレス自体もどちらかというと華やかであるから、今のコスチュームはアンマッチっぽい。ＪＷＰの中でもヒールではないわけだし。コンプリートプレイヤーズ色にこだわるにしても工夫の余地があるのではないか？
序盤で倉垣と米山ががぶりあいと腕狙いのグラウンドを展開。さらに春山が出て米山をローリングクレイドルで回す、さらに逆回転を狙うが「重い」と回せない(^^;米山も春山に言われたくなかろう(^^;
中山は華麗なとびつきＤＤＴやスイングＤＤＴを見せるが、ハルクラのファンタスティックフリップぽいダイビングプレス、倉垣のレジーラックやムーンサルトプレスも受け苦戦。春山は初披露？のタイガースープレックスも見せる。しかし中山も雪崩式フランケンシュタイナー、米山のダブルリストアームサルトと中山の爆ＮＥＷスープレックスとの連続競演も炸裂。試合を決めたのは中山の雪崩式エースクラッシャーで、倉垣はこれをくらった直後はのたうち回っていた。
試合後春山がマイク「ハルクラは当分活動を休止します。それぞれがもっと技量を高めて...とかそういう話。しかしハルクラはコンビとしてちゃんと活動しはじめてまだ期間が浅く、大きな実績も残していないで、なんで今凍結なの？という感じだ。
★ＪＷＰ無差別級選手権試合 ○日向あずみ VS 美咲華菜× ［王者］ ［挑戦者］ （２２分３５秒 コブラツイスト）日向が防衛
先に入場した美咲が日向を待つ間に小さな女の子が花束をかかえてリングサイドを走ってきた。川崎レフェリーが美咲に教えて美咲花束を受け取る。
美咲はゴング前の日向がさしだした手を拒否。
序盤は静かにロックアップから日向が胴締めスリーパー狙いと腕ひしぎ狙い。美咲はスタンドで日向の右腕ひねり狙い。コーナーやロープ際での攻防から場外戦へ。日向スワンダイブトペコンを失敗（写真左下）もう一発は鉄柱から無難に決める。
リング内で風車背骨折り、ＳＴＦ、キャメルクラッチと攻める日向。美咲もコブラツイスト、ＳＴＦなどで攻め返す。さらに美咲スリーパーホールド攻め。胴締めも加えて攻め続ける。
美咲がＱＴスペシャル、倒立フランケン、日向がＳＤ回転足折り、ＤＤＴと攻め、美咲もスイングＤＤＴ，ビッグブーツ、宙釣りスリーパーパワーボムと攻め、さらにスリーパーホールドで攻める。さらにハイキック、Ｋショックと攻勢の美咲。
１５分過ぎ、美咲はフィッシャーマンバスター狙い未遂。場外戦になり日向は美咲をステージに連れだす。日向は花道でＤＤＴ、ニーアタック。さらにミサイルキックからロコモーションジャーマンで続ける。延髄ニーはかわされるがさらにだるまジャーマン。
しかし美咲裏拳で逆転しフィッシャーマンバスター。カウント２。美咲はさらにランニングエルボー。カウント２。
しかし日向もスパイダージャーマン、ミサイルキックと反撃。さらにダイビウング延髄ニー。そしてみちのくドライバー。これはカウント２。もう一発を狙う日向に美咲はラマヒストラル。しかしカウント２。日向はその体勢から虚をついてのいざりの体勢でのコブラツイスト。これで美咲タップ。
美咲はマイク「私は負けたが、反ピュアハートが負けたとは思っていない。ハルクラも私が思っている方向に進んでいると思う。」また今回の挑戦が自分がどのくらいの位置にあるか確かめたかった、それははっきりした、と続け、重大発表となった。
「７月２９日この会場、私は引退します。嘘じゃありません。」驚く観客。そして美咲は輝に「同じ立場でやってきて機会がなかったから、輝、一緒にやろうよ」７月７日秋田では輝とのシングル、ということらしい（引退試合の相手は未定）。
そしてエプロンにいた日向とも握手して、観客に最後の応援を頼んで去っていった。
予想できないことではあったが、やはり現に言われるとショックではあった。
この日も、というか美咲は最後のツーショット撮影会があった。こんなことがあったものだからいつになく盛況。美咲の笑顔もこころなしか今までより自然なものと映った。顔を合わせたとき自分の心から自然に出てきた言葉は「今までお疲れさまでした」であった。
会場を後にするときの美咲の顔は何か晴れ晴れとしていた。「引退試合、ぜひ観にきてください」との言葉もいつになく自然に響いたような気がする。