2003.4.20 JWP 道場マッチ


 金町駅には夢ファクトリーの興行とかで足を運んだりしたのだが、その隣が亀有だったとは知らなかった。駅からのバスの道はまさに住宅地。停留所を降りてプロレス者らしき人の歩く方向に目をやると、JWPのポスターを貼ったワンボックスカーが目に付いた。その方向からだとプロレス会場とはわかりにくいので目印のためであろう。

 JWP道場は民家ぐらいの大きさの、元は倉庫であろう建物。道場の前にリング運搬用トラックが駐車されており、そのトラックと道場の入り口との間にブルーシートが雨よけとしてかざされている。雨よけの下には椅子席が10数客程度(ACTセンターの客席より少ないか?)置かれているが、その前が立見席になっているのであまり座る観客はいない。

 リングは入り口から見て左側の奥に設置されていて、四方から観戦することはできない。右側に売店が設置されており、奥では春山と練習生がおでんを売っている。5品ほどで500円。試しに買おうとするとじゃんけんをさせられる。じゃんけんに勝つと卵つき、負ければ卵なしということらしい。私は勝利して卵をGET。アントニオ猪木にさえ勝利した私が練習生に負けるわけがない<( ̄∧ ̄)> 味付けが薄めで食べやすかった。他には手作りのおにぎりも売られており1個100円。

 この日はファンの中からプロデューサーを公募する、という企画の下行われ、選考の結果「JWP・よろず掲示板」主宰者のF澤さんと、埼玉県在住のコメヤマカオリさんがプロデューサーに決まった。さてそのF澤さんはというと、スーツをビシッと着込んでいかにもスタッフ風の姿となり、トランプを持って審査員を募集して回っている。しかしどうやら積極的に希望する人はあまりいない模様。

 まもなく定刻13:00になると、古澤さんが興行の開始を宣言。共同プロデューサーということになっているコメヤマカオリ(小学生、って正体はお判りの通り)と共に開始アナウンス。


第1試合 戦いのアート エキジビション5分間

×日向あずみ vs コマンド・ボリショイ○
(判定0−1)

 最初に審査員選び。トランプを引いた人の中から抽選、ところが当選番号の人が名乗りを上げない(^^; その番号を飛ばしてもう一つ番号を読み上げる古澤さん、しかしこれも名乗りが上がらない。仕方なく3人目、これは応じる人がいた。リング上のボリショイが、贔屓する可能性がある、と文句をつける。どうもこの方は最近の常連で日向ファンらしい。古澤プロデューサーは疑義を要れずこの人に決定。次いでプロデューサー推薦「奈良から来ている人がいるのでその人に...」絶句。形だけでも抽選に加わろうかと思ったら拒否されたのはそーゆーことだったか...(汗)というわけで審査員席に。さらにもう一人は「亀有区民の方いらっしゃいますか?」と挙手した人の中から一人選ばれて3人が決定した。審査用紙などがちゃんと用意されており、技の力強さ、スピーディーさ、美しさ、その他(だったっけ?)4項目に分かれていて、評価できるポイントで○をつけ、後で集計する仕組み。

 ボリショイは「残り一分は言ってもらえますか?作戦がありますんで」とプロデューサーに確認。渡辺えりかがやってきて「残り1分はお知らせします」とプロデューサーに耳打ち。さらに両者とも審査員席に向かってよろしくとか贔屓すんなよとかアピール。

 試合開始はオーソドックスな展開だが、5分の短時間試合とあって吊り天井のような技も出る。さて「残り1分」のアナウンスとともにボリショイがスパート、回転数の多いコルバタやライムライトなどを繰り出しし、残り1分をほぼ自分の技の印象だけにして見せた。その不利を悟った日向は試合終了のゴングで悔しがる。

 さて集計タイム。慌てて審査用紙を見て、円の一番多い項目を10点、一つ少ないのを9点、といった具合に集計したところ、終盤の連発の分少し円が多かった分が差となり36対33というのが筆者の採点になった。これを提出してプロデューサーが読み上げ。他の二人はドロー判定、私だけ勝敗がついていたので日向が「ちょっとぉ」と突っ込み。1対0ではPRIDEやパンクラスでは勝敗はつかないのだが、古澤プロデューサーはボリショイの勝ちを宣告した。

 試合中あまりいろいろ考えてられず、機械的に採点することになったが、結果的には変に考えるよりも妥当なジャッジができたと思える。


第2試合 勝利へのエスケープ
○米山香織 vs 渡辺えりか×
(8分40秒 横入り式エビ固め ポイント16対14)

 渡辺は黒のエナメル調のセクシー系コスチューム。キャラには合ってるがインパクトの強さがちょっと恥ずかしそう(別にこの日が初披露では無いようだが)。そして米山は、どうもこの日お披露目らしきピンクのコスチュームで登場。美咲華菜が来ていたような派手でフリフリもついたもろアイドル調のもの。どうも本人はこれが恥ずかしいらしく無闇に照れてみせる。本人が過剰に恥ずかしがっているだけで、このくらい派手でいいのではないか、と筆者は感じたが。

 この試合は3カウントフォールかギブアップを奪えば5点だが、フォールが2カウントどまりだと逆にフォールを返した方の得点となってしまう。ロープエスケープもUWFルールとはあべこべでエスケープした方が得点する、という常識破りなルール。

 てなわけで序盤は攻めてる米山の方が失点を増やしていたような印象がある。アキレス腱固めをかけあい、相手に悲鳴を上げさせた方がロープに手を伸ばそうとする珍妙な展開。ジャーマンスープレックスを狙うと狙われたほうはここぞとばかりにロープへ歩み寄ろうとする。「どうすればいいんだ!」と叫びながらロープを叩く米山。

 後半の攻防はどちらが取ったか取られたかわからなくなるような調子になったが、どうやら王手(逆王手?)をかけたような状態になった米山が「エルボーで決めるぞおお!」と叫んで突進、と思いきや、スクールボーイでピンフォール3カウントを奪った。これで米山は16点目を獲得、15点先取ということで勝利を決めた。

 米山は「この水着のおかげで勝てたんだ!」と、まるで負けた捨てぜりふのような調子で叫んで退場していった。


第3試合 15分1本勝負
○タニア・トルメンタ vs ジェスカ×
(3分28秒 パワーボムからのエビ固め)

 ソンブレロにポンチョ姿にギターを抱えた男が前振りを付けてメキシカン二人が登場。印象としてはルチャらしい技もするがあまりルチャっぽくなかったような気がするのだが何でだったろうか?よく思い出せない(^^; 早く終わらせたのは正解か、という感じ。

 〜確かここでQK〜

道場マッチなので飲食物の販売もJWPの自前で、ホット&アイスの缶ドリンクなどが売られていた。


第4試合 30分1本勝負
○日向あずみ        春山香代子
 コマンド・ボリショイ vs 渡辺えりか×
(18分20秒 片エビ固め)

 これは普通のタッグマッチなのだが、プロデューサー二人(古澤さんとコメヤマカオリ)が実況と解説を勤める。これはちょっと期待はずれ?と思えたのは二人の語りではなく、音響設備が悪いのであまり実況と解説の内容が聞き取れないことが多かった点にある。とはいえ試合する選手は、米山が見たまんまの実況をすると「見りゃわかんだろ!」と突っ込みを入れたりしてうまく利用していた(^^;

 この道場には赤コーナー上あたりの天井に安全注意の看板がぶらさがっており、日向がそこに突っかかったりするのも面白い。他はコマンドに続く日向のロープ渡り、春山のいつもよりかなり多い回転のローリングクレイドル、渡辺が「日向さん綺麗なお顔をすみません!」と叫びつつ変な顔攻撃、といった要素が盛り込まれた楽しい展開と、ハイスパートな攻防に古澤さんの実況「カウント2.99999!」を呼び込むような激しい展開とのミックス。

 最後は、渡辺がキャプチュード、フィッシャーマンスープレックスと追い込みをかけたが、コマンドのトペ中止ロープ間スピンを応用したキックにカットされたところに、この試合2度ほど回避されたりして有効打にならなかったダイビング延髄ニーを決めた日向が渡辺をピンフォール。

 なかなか面白い興行だったが、雨の影響か地元の人が少なめだったとかで、普段よりは観客動員が少なかったらしいのは残念。

 久々に会う人もいたが、周囲の雰囲気はかなり私の知らない人だらけという感じで、かなりファン層の新陳代謝が進んだらしいというのを実感した。


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